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SUP(サップ)とは?~ボードの構造編~

SUPには様々な種類があります。

体験やレッスンでは、ショップで用意されたボードに乗るだけなので特に気にしなくて良いですが、購入の場合はよく考える必要があります。
特に、自身が何をしたいのか、その用途に合ったボードを選択しましょう。

SUPとは?~基礎知識編~に引き続いて、今回は、SUPの構造とそれによるメリット・デメリットについて、初心者にも分かりやすくポイントをまとめて解説していきます。

SUP購入を考えている方、格安SUPを買うべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

基本的なSUPの構造

SUPは人が乗るために、水に浮き、かつ、高強度の素材で作られています。

かつてのSUPは木で作られたものもありましたが、現在では、軽くて水に浮く心材(コア)と、その周りを樹脂などで覆って強度を出しています。

心材は、比重や強度、質量などを考慮して、発泡スチロールのような素材(EPSフォームなど)を使うことが多いですが、心材の代わりに空気を充填することで、高い浮力を実現しているものもあります。

この、空気を充填するタイプのボードを、『インフレータブルボード』といい、反対に、心材を樹脂で覆ったボードを、『ハードボード』といいます。

それぞれにメリットとデメリットがあるので、ポイントをしっかりと把握した上で、自分に合ったSUPを選びましょう。

構造によるメリットとデメリット

インフレータブルボード
メリット
  1. 価格が安い。(5~20万円程度)
    総じてハードボードより安く売られています。
    大手通販サイトなどでは、格安SUPとして5万円前後から販売されていますが、故障のリスクを考えると、ちゃんとしたメーカー製の方が良いでしょう。
  2. 空気を抜いて折りたためるので、保管しやすい。
    SUPは、全長大体3~4m程度なのですが、空気を抜くとかなりコンパクトになるので、アパートの一室でも十分保管できます。
    これが理由で、インフレータブルボードしか選べない方も多いのではないでしょうか。
    ただし、デメリットを考えると、常に折りたたんでの保管は望ましくないので、注意しましょう。
  3. ライフジャケット以外、すべて揃う。
    インフレータブルボードは、専用のポンプや運搬用のバッグが付属します。
    他に、フィンやリーシュ、パドルなど、必要なもの一式がセットされていることがほとんどなので、あとはライフジャケットだけ買えばOKです。
    特に初心者は何を揃えればいいかわからないと思うので、手軽に始めることができます。
  4. 公共交通機関で持ち運べる。
    専用のバッグが付属するので、それに収納すれば、簡単に持ち運ぶことができます。
デメリット
  1. 空気が漏れるリスクがある。
    側面の接着面が経年劣化で痛んだり、ぶつけて穴が開くと空気が漏れます。
    間違った保管方法や空気の入れ方などで、空気漏れが起こる可能性もありますので、注意が必要です。
    そもそも空気で膨らませている以上、空気漏れのリスクから逃れることができないことは、頭に入れておきましょう。
    海で遠出するなど、万が一空気が抜けると戻れなくなる可能性がある場合は、複数人で行くなどのリスクマネジメントをしましょう。
    どうしても心配な方は、REDPADLLEなどの丈夫さをうたっている大手メーカーにすると、少し安心できます。
    https://maneuverline.co.jp/brand/?c=STAND%20UP%20PADDLE%20BOARD&no=2815
  2. 保管に気をつかう。
    ボードが痛む原因として、保管方法が大きく関わっています。
    通常、空気を抜いた後は、専用のバッグに入れるために折りたたむのですが、その際に、側面の一部が鋭利に折りたたまれてしまいます。
    これ自体は構造上しょうがないのですが、毎回同じ場所が折られたり、長い間使用せずにいると、折られたか所が痛み、そこから空気漏れを起こしてしまうことがあります。
    これを防ぐには、ある程度空気を入れ、膨らませた状態で保管することが望ましいのですが、それだと、コンパクトになるという折角のメリットを潰してしまうので悩ましいところです。
  3. 毎回空気を入れるのが面倒。
    使用する前に専用のポンプで空気を入れますが、毎回となるとこれが面倒に思えてきます。
    電動ポンプを使うこともできますが、結構大きな音が出るので、周囲に家があったりテント泊している方がいたりすると使用がはばかられ、結局手で入れたりします。
    ちなみに、空気を抜く際にも非常に大きな音がでるので、気をつかいます。
    また、指定空気圧の上限値まで入れてしまうと、太陽で熱せられた際に、膨張してパンクすることもあるので、気を付けましょう。
    個人的には、真夏の使用で、上限15psiのボードなら10psi程度入れるようにしています。
ハードボード
メリット
  1. 故障のリスクが少ない。
    高強度のフォームをグラスファイバーやカーボンで覆っているため、岩などに激突しない限り壊れることはありません。
    また、万が一真っ二つに壊れたとしても、その破片には浮力があるので、完全に浮力を失ってしまうインフレータブルと比べて安心です。
  2. 特定の用途に特化させることができる。
    フォームを細かく造形することができるので、尖らせたり底を削ったりすることで、特定の用途に特化したさせることができます。
    また、フォームを削ることで軽くなるだけでなく、浮力を調整できるので、体重に合わせたボードを選択できます。
    なお、『軽いから速い』とは、一概には言えないので、ご注意ください。
デメリット
  1. 価格が高い。(20~50万円程度)
    特に、競技用に特化したモデルが高いです。
    高いものだと、型落ちでも30万円を超えてきます。
    ただし、インフレータブルボードのような経年劣化による故障はまずないので、中古ボードを選ぶ方法もあります。
    中古の場合は、10万円を切るものから出回っていたりするので、幾分、購入しやすいと思います。
  2. 長いので保管し難い。
    全長3~4mのSUPを丸々保管できるスペースが必要です。海で見ると大したことが無いのに、自宅で見ると巨大すぎてびっくりします。
    車1台分の長さなので、ガレージがある場合などは良いですが、アパートやマンションなどでは所有することすらできない場合があります。
    有料で置かせてくれるショップなどもあるので、そういったところがホームにあれば利用を考えましょう。
    家に置く場合は、家族の理解も必要なので、ハードルが高いです。
  3. 自家用車が無いと持ち運べない。
    3mのSUPを電車で運ぶことは当然ながらできませんので、運搬にはルーフキャリアのある車が必要です。
    そして、ハードボードの運搬は、購入時点から始まります。
    運送でも、最寄りの営業所までしか運ばれないことが多いので、受け取りに行かねばなりません。
    そのため、近くに購入&保管できる水辺沿いのショップもなく、車も持っていない方は、ハードボードを買う前に車を買いましょう。
  4. 付属品がほぼない。
    フィン以外の付属品は無いことが多いので、パドルとリーシュは別途購入しなければなりません。
    どれを揃えればいいのかもわからず、追加の出費となるので、初心者には手を出しにくいと思います。

結論

メリットとデメリットを並べましたが、私のおすすめはハードボードです。
特に次のような方は、ハードボードを選択した方が良いです。

  • 保管場所がある。
  • 基本一人で乗る。
  • 遠出したい、冒険したい。
  • 運搬できる車がある。
  • 価格より安全を取る。

逆に、インフレータブルボードを選択した方が良い方は、次のような方。

  • 保管場所がない。
  • 複数人で乗る。
  • 電車移動だ。
  • 陸の近くでしか乗らない。
  • ちょっとでも安い方が良い。

泳いで帰れる距離であれば最悪沈んでも何とかなりますが、海などではすぐに流されてしまうため注意しましょう。
インフレータブルボードでもハードボードでも、安全第一で楽しむことが重要です。

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