フルカーボンパドルが欲しくなるのはパドラーなら誰もが通る道ですよね。
私はパドルより先にレースボードを買ったので、寂しい懐具合と相談してどのパドルにしようかと悩んでいました。
買ったボードが404。であればHIPPOSTICKにしたいよね、ということで3モデルの比較。
- ティアドロップ型でキャッチが強そうなAL(エーエル)
- サーフィン用だけどダニー・チンがディスタンスレースで愛用しているBLUER(ブラー)
- 最近流行りの縦長形状のTRIPLE G(トリプルジー)
公式の謳い文句をみてみると、TRIPLE Gはスプリントもディスタンスもいけるとのことなので、TRIPLE Gを使ってみることにしました。
そうしてネット受付しているプロショップに注文したのが2021年9月の話。あれから1年。長らく待ち続けて延期に延期を繰り返し、半ば諦めかけていたところにやっと入荷があり手にすることができました。
どうやら404とHIPPOSTICKの輸送コンテナが大幅に遅れていたらしい。あれかな、404JUMPの注文ロットか生産数が揃うのを待っていたのかな。
まあ何にせよ、念願のパドルを手に入れることができました。
ちなみに今回利用させていただいたショップは、香川潜水様。
入荷までめちゃくちゃ時間を要した面倒くさい注文にも快く対応くださりありがとうございました。しかも1年後の入荷時点ではかなりの値上がりがあったのに、そこも調整いただいて。何から何までお世話になりました。また利用させていただきたいと思います。
ボードもパドルも安い買い物ではないし、命を預ける道具なので、みなさんも信頼できるプロショップを利用しましょう。
TRIPLE G は見た目から最高
この前買ったMANAは、EXPというカーボン30%グラスファイバー70%のもので、表面だけがカーボン。3kカーボンということで繊維の織り目が細かく、それはそれで良かったのですが。
今回手に入れたTRIPLE G はPROという12kのフルカーボン製。当然織り目は粗いですが、表面仕上げの綺麗さもあって高級感が段違いです。
並べてみると全然違うのがよく分かります。↓
ちなみに素材的には、同じグレードのカーボン繊維なら目の細かい3kカーボンのほうが軽くて硬くて高価だそうです。カーボンロードバイクとかではハイエンドモデルはフル3kカーボンだったりします。とはいえカーボン繊維も様々で、どのグレードか分からなければ比較はできません(グレードによって引張強度が違います)。
HIPPOSTICKのパドルだと、恐らくEXPモデルはグラスファイバーが主素材で柔らか過ぎるので、硬い3kカーボンで強度を上げているのかな?
逆にPROモデルは3kカーボンだけで作ると硬すぎるから、12kカーボンで程よいフレックスを設定しているのかも。
まあ何にせよ12kのフルカーボンパドルは、繊維の目も荒くて、グロッシーな表面仕上もあり、遠目でも結構ギラギラして見える素敵な見た目をしています。個人的にはこの方が好き。
TRIPLE G は癖がなく使いやすい
そんなところで見た目はモチベーションを上げてくれますが、実用品として大事なのは使用感ですよね。
パドル幅はMANAと同じくらいでかなり細身。その分縦に長く、必要な面積を確保しています。
深いコンケーブもなく、先が反り上がってもいないナチュラルなフェイスですが、スプリントもディスタンスもこなせるという謳い文句ははたして。
動画だけではよく分からないのですが、使用感はとにかくスムーズ。体重をのせたときに左右にブレることもなく、リリースにも引っかかりがない。キャッチも重すぎない。
今まで使っていたコンケーブが深いパドルでは、キャッチが強い分、逆にキャッチをミスすると力が抜けバランスを崩していましたが、TRIPLE G はそれがない感じ。多少ミスしても常に同じ負荷でパドリングができる。
スムーズさのおかげで、パドリングが上手くなった。と錯覚しました。
また、一定の負荷で漕げるということは、無駄に心拍数を乱さなくなるので、パドリングが楽になっただけでなく、体への負荷自体が減った感じ。
そして細いながらも縦に長いことでブレード面積は94in2と非常に大きいので、ピッチを上げることでダッシュをすることも容易です。ディスタンスもスプリントもという公式の謳い文句は嘘でなかった。
ちなみに最近人気のBLACK PROJECT Hydro FlowX のLサイズで88in2なので、如何に大きいかが分かっていただけるでしょうか。
面積だけ見ればかなり大きなパドルですが、実際には女性向けパドルのMANAと同じくらいの幅なので、それほど大きくは感じません。
重ねてみるとこんな感じ。↓
使用感をまとめると、ナチュラルなフェイスで引っ掛かりのないスムーズなパドリングを実現しつつも、コンケーブがない分弱くなるキャッチを縦長の面積で補ったパドルといったところでしょうか。
余談ですが、最近のSUPレースではコンケーブが深いパドルが主流になってきているので、このようなナチュラルなレースパドルはある種貴重かもしれません。
かと言って、先進的な形状をしていないから遅いなんてことはないはずで、エイプリル・ジルグはこれで世界大会を勝っています。
やっぱり最後はフィジカルとテクニックですね。
スポンサードを受けた機材を使うプロならいざしらず、趣味で続けるアマチュアは、速いとか軽いだけじゃなく、使いたい道具を使うのが一番ですね。
HIPPOSTICK TRUPLE G は、見た目も使用感も良いし、何よりカバのマークが可愛くて素敵なので、間違いなくお気に入りです。もうほかのメーカーはいいかな。
ただ、MANA、TRIPLE G ときたので、いっそのこと全モデル欲しくなりますね。
ALとBLUERがセールになればなぁ。