タイトルのとおり、SUPから転落したと見られる方が亡くなる事故がありました。ご冥福をお祈りいたします。
yahooニュース「記事横須賀で男性の水死体SUP中、海に転落か」
不謹慎ながら、二度とこのような事故が起こらないように、どのような場合に転落しただけで死亡に至るのかを考えてみます。
パニックになったとき
まず、パニックになったときです。
死角からの不意な波を受けてバランスを崩すとヒヤッとしますが、慣れていない方がそれで転落し、頭まで水を被るとパニックになります。
サーフィンをするような波に飲まれれば、水中を回転しながら上下感覚を失うこともあるので、尚更です。
パニックを防ぐには、まず転落を想定したマインドセット(心積もり)をしておくことと、万が一パニックになっても取り敢えず息ができるように浮力体を身に着けておくことが有効です。
その際、浮力体は自分にあった物を選択しましょう。例えば水が苦手な方の場合は、放っておいても浮く固形の浮力体が備わったライフジャケットにするとかです。
普段からよく練習していてスキルのある方は、膨張式のコンパクトなタイプが扱いやすいと思います。
体調不良や飲酒状態のとき
夏にありがちなこととして、キャンプやBBQで飲酒をした状態で水難事故にあうケースがあります。
体調不良や飲酒状態では、認知機能や判断力、運動機能など、様々な能力が低下します。
泳ぎ辛くなるということもありますし、そもそも浮力体をつけ忘れるなどの判断ミスも起こり得ます。
体調が悪かったり、飲酒した状態では絶対に水に入らないようにしましょう。
また、夏であれば熱中症で身動きが取れなくなることもあるので、日が高い時間帯に陸から遠くに離れる際は、しっかりと準備をしておきましょう。水の上は日差しを遮るものがありませんので。
野生生物に襲われたとき
海の怖い野生生物といえばサメが思い浮かびます。海水浴場で確認されると大きなニュースになりますし。
ですが、サメによる被害は遥かに稀なケースです。
実際に起きやすいのは、浅場でのエイや魚の毒針を踏むケースか、沖で転落したときにクラゲの毒を受けるケースでしょう。
種類によっては、呼吸困難を引き起こす毒もあるので、沖で毒をもらうとかなり厳しい状況と言わざるを得ないです。
サメなどの情報は、近くの海水浴場などで啓発されていることもあるので、地元のショップに聞くなどして注意しましょう。
毒については、あらかじめ画像などを見ておき、似た生物を見かけたら、すぐにその場を離れましょう。また、万が一に備えて、岸沿いをルートにすれば、すぐに陸に上がり助けを呼ぶことができるかもしれません。
岩場などに転落したとき
川下りをするリバーSUPでは、周りが岩だらけなのでヘメットの着用が必須ですが、それ以外のフィールドではあまり着用しないと思います。
しかし、海の場合は潮の満ち引きもあり、案外暗礁が多いものです。
明らかに見えている岩場には近づかないとしても、見えていない岩場や急に浅くなった地形に近づいた経験は、海でSUPをしている人なら誰しも経験があるんじゃないでしょうか。
そのようなところは流れが複雑になりやすく、バランスを崩しやすいところでもあります。
もしそこで転落して頭を打てば、脳震盪を起こしたり、最悪意識を失う可能性もあり、容易に溺れると思います。
ヘルメットを被るまではしなくても良いので、せめてそういった地形に気をつけるだけでも違いますし、干満の差を意識することも有効な対策になるでしょう。そして、そのような地形には近づかないことです。
リーシュで繋がれていないとき
ここまでつらつらと書きましたが、今回の事故は、個人的にはリーシュを繋いでいなかったor切れたことが原因ではないかと感じました。
理由は2つあって、報道が「SUPをしていたと見られる」、「近くで漂うSUPを発見した」と表記しているためです。
もしそうだとしても、浮力体で浮ければ良かったのですが。
ちなみに、サーファーの方には常識でしょうが、リーシュは衝撃で切れることもあるので、使用前には必ず点検をし、傷んだリーシュや長く使用しているリーシュは新品に交換しましょう。
それと、中古品はどのような使われ方をしているかわからないので、高くも新品を買うことをおすすめします。これが命綱ですから、ケチっても良いことありませんよ。
安全にSUPを楽しみましょう。
まだ事故原因などの続報がないので、憶測を過分に含む内容となっており恐縮ですが、とはいえ、リーシュをつけることや浮力体を身につけることで重大事故を防ぐことができるのは事実です。
また、できれば2人以上でSUPができれば、いざといったときに対応ができます。
私のように一人で乗ることが多い方は、何かあっても陸に戻られる距離を保っていると安心です。
それでは、皆様も事故のないように、ハイシーズンのSUPを楽しんでください。