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SUPと腰の痛み

SUPをすると腰が痛くなる、という方がいます。

一言に腰が痛いと言っても、当然痛みの種類やその原因は幾つかあります。ネットなどで色々と情報を探ってみても、概ね腰から曲げるフォームをしないようにといったことしか見かけませんが、そんなことは分かっているし、いやいやそんなに腰は曲げていないよ or 速い人は腰を曲げて前傾してるじゃん、と消化しきれない思いを抱きます。

私もSUPを始めた当初は、乗った次の日に寝返りもうてないくらい痛みましたが、現在はそのようなことにはなりません。自分なりの解釈で正しい漕ぎ方に近づけたからだと思うのです。

ですが最近漕ぎ方を変えたところ、特定の条件で腰が痛むことがわかったので、今回はその気付きについて書いていこうと思います。

ちなみに、腰を痛めないための基本のキであるパドリングフォーム(デッドリフトのような腰を入れた格好)を理解していること前提の話しです。

最初の痛みは筋力不足

まず、SUPを始めた当初の痛みは、SUPに必要な筋力が十分でないために起きているものがほとんどだと思います。

そもそも最初はバランスを取ることに精いっぱいなので、腰が痛くなるような前傾姿勢も取れなければトップパドラーのように高負荷で漕ぎ続けることもできません。

私も最初は腰が痛みましたが、その時の感覚として覚えているのは、漕ぎ続けていたら腰椎のあたりに疲労が貯まる感じがして、腰椎周辺の筋肉がダルく熱っぽくなったあと痛みが出ていたことです。つまり関節や腰椎の痛みではなく筋肉の痛みだということです。

ちなみに、その時はキャッチの際に若干でも前傾になっていたので(落ち続けていましたが)、その前傾した上体を起こすときに使う脊柱起立筋に負荷がかかっているのかなと考えていましたが、検証してみるとこれが違うみたいでした。

脊柱起立筋の筋肉痛であればデッドリフトやバックエクステンションで痛むはずですが、試しにやってみても大して痛くない。でも寝返りをすると悶絶するくらい痛い。そこで違う動きを色々試してみたら、どうも腰を捻る動きで痛みが出ているみたいで、また体を側屈(ラジオ体操でやるアレ)させようとしても痛むことが分かりました。

それらの動きに関わる腰回りの筋肉ということであれば、腰方形筋というコアマッスルがあるようです。SUPではこれを良く使うのでしょう。

腰方形筋は、主に体を側屈させる役割を担う体幹部の筋肉です。SUPは正に側屈の連続。側屈してキャッチし、そのまま体重を乗せたり、逆側に側屈して捻り戻したり。

腰方形筋の参考ページはこちら

日常生活ではまず使わないような体の動きをするので、普段使われていないからこそ余計にそこ(腰方形筋)が筋肉痛になるということですね。

もちろん筋肉ですから恒常的に負荷がかかれば発達していきます。私の場合、2か月くらい毎週末乗っていたら、寝返り程度では痛まなくなり、半年が経つ頃には腰回りの筋肉痛はほぼ無くなりました。

というわけで、私のように腰回りの筋肉が痛むという方は定期的に続けることで腰痛が改善すると思います。(というか筋肉痛の場合はそもそも腰痛と呼ぶのでしょうか?)

また、元々腰痛持ちという方は腰回りの筋肉群が弱ったがために姿勢制御ですら腰椎に負荷がかかっている可能性があるので、SUPを継続して腰回りの筋肉群を発達させることで根本的な改善に繋がるかもしれません。とはいえ、筋力がない状態でいきなり負荷をかけると怪我に繋がる恐れがあるので、無理をしないことが肝要ですね。

初級者を脱出した頃に訪れる痛みはフォームによるもの

順調に続けていると、ちょっとやそっとでは腰が痛まなくなります。

そうなると徐々に効率よく速く漕げるフォームを追い求めていくわけですが、その中で腰に痛みが出ることがあります。

今回の本題はこれです。

今まで8~9分/kmで巡行していたのですが、休みなく5km漕げるようになり、7km漕げるようになり、10km漕げるようになってもペースが上がりません。というかどう頑張って漕いでも7分/km台で漕げない。

乗っているのがレースボードといえど24インチ幅なので、当然細いボードよりはスピードを出しにくいのは分かります。とはいえ、7分/km台くらいでるでしょ。と日々フォーム改造をしていたところ、ここ最近は7:10~7:40/kmで巡行できるようになりました。

フォーム改造の内容を簡単にいうと、より重心を前に寄せたフォームで不安定な代わりに自然と体重をパドルに乗せられるようにしたことと、乗っているボードにノーズボリュームがあるので、前目に乗ってテールが水に引っかからないようにしたことで失速し辛くすることを狙った改造です。

ただし慣れないフォームになったので膝を曲げて重心を落としつつ、アンダーハンドを拳2個分くらい上にしてパドルを長めに持つことで前傾しなくて済むようにして、不安定なフォームでもバランスを取れるようにしていました。

ただ、これで漕ぎ続けていると腰が痛くなる。膝を曲げて腰を落としているけど、腰自体は曲げていません。変な感覚です。

巡行スピードが速くなったので、新フォームを捨てたくはない。そこで先週末フォームの検証をしてみました。

結論としては、パドルを長く持ったことでアンダーハンドにかかる負荷が増し(てこの原理)、アンダーハンドを捻り戻すための負荷が体を回旋させる腰部分に集中していたことが原因です。

つまり、アンダーハンドを拳2個分下げた以前の握り位置であれば、パドルフェイス(作用点)とアンダーハンド(支点)が近くなりハイトルクで漕げるので、アンダーハンドを捻り戻す際の負荷が軽減されるということです。

特にサイドから風を受けているときは片漕ぎが続くので、よりパドルを短く構えることで疲労が貯まり辛くなりました。

頭では分かっていたつもりでしたが、ちょっと握り位置を上にしたくらいで腰がめちゃくちゃ痛くなる程負荷が増すと思うと、馬鹿になりませんね。とはいえそれすらも漕ぎ切る筋力があれば、パドルを長く使えてもっと速くなりそうな気もします。

結論

パドルを長く持てればより遠くでキャッチができるけど自分の筋力と要相談。

短く持ってハイトルクにしつつケイデンスを上げて漕ぐのも良いかも。

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