SUP(Stand Up Paddleboarding)は楽しみ方も多様で、エクササイズとしても楽しめる近年人気急上昇中の水上スポーツです。とりわけインフレータブル(膨らませるタイプ)のSUPはその手軽さから多くのシーンで使用されますが、長らく使わなかった場合、思わぬ劣化をしている可能性があります。
去年買って1度使用したきり物置にしまったままにしていませんか?
事故を防止し無事に帰ってくるためにも、使用する前に以下の点に注意しましょう。
掃除
保管していた場所によっては、カビや汚れが付着している可能性があります。まずは柔らかいブラシと水、またはボード専用のクリーナーで掃除しましょう。汚れが多いと次のステップで損傷を見落としてしまうかもしれません。
バルブの確認
バルブの周囲が損傷していないか、またバルブが正常に開閉するかをチェックします。バルブに不具合がある場合、ボードが十分に膨らまない、または空気が漏れてしまう原因となります。安価なインフレボード程バルブやその周辺の作りが雑になっていたりするので、注意しましょう。
ボードの点検
次にボードに若干空気を入れ状態を確認します。ただし久しぶりに空気を入れる場合はいきなり指定空気圧まで入れることは避け、ボード全体が膨らむ程度の小さな空気圧にした方が賢明です。膨らませたら、裂け目や損傷、気密性の問題などがないかを見てみましょう。特に生地の溶着部分(多くの場合ボード側面やバルブ周辺)から空気漏れをすることがあります。もし気密性が保てないなら、プロショップで修理するか、新しいものに買い換えることを検討してください。
膨張テスト
上記までで問題がなければ、推奨されている空気圧まで膨らませます。ただし推奨される空気圧の上限いっぱいまで入れる必要はありません。もし、直射日光があたるなど、熱が加わる場所で膨らませる場合は、膨らませた後に熱膨張で推奨空気圧をオーバーしパンクすることがあるため注意してください。
パドルとリーシュコード、浮力体の確認
パドルが曲がったり折れていないか、リーシュコードやライフジャケットが痛んでいないかなどをチェックします。これらの装備が正常でなければ、水上での安全性に影響を及ぼす可能性がありますので、目で見えるほど劣化している場合は新しいものに買い替えましょう。特にライフジャケットのストラップの部分などは劣化しやすいので注意が必要です。
以上のチェックで問題がなければSUPの道具は大丈夫です。
では、いざ海に!……とはなりません。次のこともチェックしておきましょう。
気候と天候のチェック
久しぶりのSUPでは、体力やバランス感覚が以前とは異なるかもしれません。風の強さ、波の高さ、水温、気温などを確認し、自身の体調と合わせて適切な場所と時間を選びましょう。決して無理はしないように。
再度基本を確認
年々SUPの水難事故が増えています。その主な原因は、SUPの基本的なパドリングのテクニックや乗り方、安全な落ち方などを知らず、流され、帰還不能になっているものです。久しぶりにSUPに乗る場合忘れている部分もあるかもしれません。再度基本を思い出し、初心に戻って行動することが大切です。
体調とフィットネスレベルの確認
最近運動不足ではないですか?SUPは見た目よりもハードなスポーツです。体の筋肉やバランス感覚が以前とは違うかもしれません。無理をせず、自分の体調とフィットネスレベルを考慮に入れて活動を開始しましょう。
以上が久しぶりにインフレータブルSUPを使用する際の注意点です。
これでも不安な場合は、インストラクターに教えてもらえるショップに行くなどし、安全第一で楽しみましょう! 夏本番ですが、決して事故のないようにお楽しみください。