ブログ

格安SUP(サップ)

最近、その手軽さから徐々に流行ってきているSUPですが、大体の方はとりあえずレンタルボードに乗ることでしょう。
そうして少し乗ってSUPの楽しさを知ると、ついつい自分のボードが欲しくなりますよね?

普段レンタルをしているお店がサーフショップであれば、そこでアドバイスをしてもらいマイボードを買うこともできますが、レンタルしかやっていないお店や海の家に毛が生えた程度のお店の場合は、なかなかそうはいかないと思います。

ほかに近くのショップを探して飛び込む方法もありますが、何となく敷居が高かったりして…。

そして、ついついインターネットで安いSUPを探すまでが、テンプレートです。皆が通る道。

通販サイトで見られる安いSUPのことを『格安SUP』と言い、youtubeなどではその格安SUPをレビューした動画も多々あります。レビューを見て少し心強くなったらポチってしまった方もいるんじゃないでしょうか。

これから購入する方は、購入後に『失敗した!』とならないためにも、少しだけ格安SUPのことを知っておいても損はないと思い、この記事ではそんな『格安SUP』について、まとめています。

ちなみに結論としては、格安SUPをおすすめしません。

格安SUPとは?

さて、youtubeやネット記事などで語られる『格安SUP』はどのようなものでしょうか。
良し悪しを書く前に、この記事で扱う格安SUPの定義を示しておきます。

・新品の現行モデルで大体5万円前後のインフレータブルボード
*インフレータブルボードについては、『SUPとは?~ボードの構造編~』をご覧ください。

格安SUPの良いところ

格安SUPは何といっても、価格の安さが魅力です。

大手メーカー製であれば安くて10万円前後から高ければ20万円程度するインフレータブルボードが、5万円前後で、下手したら3万円台で買えてしまうのは、破格です。
でも、『安かろう悪かろうなんでしょ』と思って調べてみても、『普通に使える』といった動画やレビューが出てくるので、じゃあこれでいいか何て思ってしまいますよね。
しかも、大抵の場合は、必要な道具がすべてセットになっているので、凄まじいコスパです。
ちなみに、格安SUPは大抵中国や東南アジア製だと思いますが、大手メーカーも中国や東南アジアの工場で生産していたりするので、製作技術的にも問題はなさそうです。
ここまでは、特にネガティブなポイントはありませんが、それでも私は格安SUPをおすすめしません。

それでも格安SUPをおすすめしない理由

『安いし使えるならいいじゃん』という格安SUPを私がおすすめしない理由として、次のポイントがあります。

  • 品質の保証がない
  • 耐久性が低い可能性がある
  • 付属品がゴミ
品質の保証がない

格安SUPも大手メーカーと同じ地域の工場で生産されていることがあるので、製作技術的には問題ないと書きましたが、大手メーカーと大きく違う点があります。

大手メーカーは、『使えるボード』を消費者に届けるべく長年かけて築いたブランドや企業イメージを背負って開発製造販売しているのに対して、格安SUPはそのような企業的責任を負っていないことがあります

格安SUPの『聞いたこともないメーカー』は在って無いようなものです。
つまり、一時的な利益のために品質管理をしていない可能性があるだけでなく、その責任の所在も無くなるかもしれないということです。

もちろん、自転車業界のGIANTのように、大手の下請けで得た技術と知見をもって、新興メーカーとして今後大きく成長する企業があるかもしれませんが、現時点では分かりません。

実際にネットで見られるレビューでも、フィンボックスが曲がっていたり、デッキパットがずれていたり、変なべたつきがあったり品質がいまいちなボードはあるようです。

そして、動画などで『普通に使える』として紹介された格安SUPが、果たして個体差の当たりを引いただけなのか、同メーカーのほかのSUPも『普通に使える』のかは、買ってみないと分かりません

耐久性が低い可能性がある

格安SUPを購入する方は、1シーズンで何回乗りますか?

初心者が乗るのは基本的に夏の間なので、6~9月の3か月が1シーズンと考え、海水浴やキャンプのついでなどで、恐らく3回とかでしょう。水辺が近ければ5回とかでしょうが、毎週末乗って10回を超える乗り方をする方はまずいないと思います。

となると、ほぼ家に保管している状況で、かつ、シーズンが終われば来年まで出番はありません。

インフレ―タブルSUPは、保管しているだけでも空気漏れなどの故障リスクがあるので気を使いますが、それが品質の保証がない格安SUPならなおさらです。

もちろん、品質的に問題ないボードもあるでしょうが、もしかすると、来年押し入れから引っ張り出したら、使い物にならなくなっている可能性もあるのです。

youtubeなどで見られる格安SUPのレビュー動画は、開封後すぐや、その1シーズンのみ『使ってみた』ものばかりなので、1年折りたたみっぱなしだったらどうなるかは分かりません。(全部の動画を見ているわけではないので、概ねそうだということ)

そんなボードに5万円は果たして安いのでしょうか?

付属品がゴミ

SUPに必要なもの全てが揃って5万円は、確かに破格です。

しかし、その内訳はどうでしょうか?

例えばパドルは、アルミ製のものがついていることがありますが、これは単純に重いだけでなく、使っているうちに腐食と金属疲労などで折れることがあります。大手メーカーでは、安価なボードでもグラスファイバー製が主で、アルミ製はめったにみません。
さらには、ダブルブレードのカヤックパドルがセットされている場合もあり、スタンドアップさせる気すらないものもあります。

フィンは間違いなくプラスチック製です。プラスチックのフィン自体は、カーボンフィンのように衝撃で割れることもなく丈夫で良いのですが…、格安SUPでは無理やり梱包され、フィンが折れ曲がっていることがあります。曲がっているフィンでは真っすぐ漕ぐことすらままならないので、問題外です。

バッグは全体的にちゃちな作りです。背負うための肩紐が細いためちぎれたり、ジッパーがすぐに壊れたりすることがあります。家からすぐに車に積めて、水辺で持ち運ぶ必要もないなら良いですが、持ち運ばなければならない場合や電車で持っていく場合は非常にストレスを感じることでしょう。

格安SUPの付属品で良心的なのは、ポンプとリーシュだけ。コストを極限まで削っているのでしょうから、付属品には変に期待せず、基本ゴミだと思っておいた方が良いと思います

格安SUP以外の選択肢

さて、ここまで長々と格安SUPのダメなところを述べてきましたが、そんな方におすすめの選択肢があります。

それが、大手メーカーの型落ちまたは中古ボードです。

型落ちも中古も、経年劣化や傷みなどがある可能性がありますが、基本的に格安SUPよりも接着面や素材などが丈夫な作りになっているので安心できます。

価格も、5万円とまではいかなくても、7万円程度で売られているものもよく見ますので、格好いいマイボードのために少し奮発してみても悪くないんじゃないでしょうか。(インフレータブルボードは基本的に1パッケージでの販売なので付属品込です)

ただし、アマゾンや楽天にはあまり中古ボードは出回っていないので、サーフショップやマリンショップなどのショップサイトを直接見た方が良い出会いがあるかもしれません。

それでも予算が足りない!3万円で欲しい!という方は、まだマイボードを買う段階でないのかもしれません。しばらくはレンタルで我慢し、少し冷静になって、それでも続くようなら購入を検討してみるのもいかがでしょうか?

結論

格安SUPを買うくらいなら、大手メーカーの型落ちを買う!

-ブログ
-, ,