SUPに乗ってみたい!
そう思った方は、善は急げ、鉄は熱いうちに打て、思い立ったが吉日です。
興味が出てきたときが始めどきです。
とはいえ、SUPはどのように始めればいいか分かりますか?
地元情報誌に乗っている体験会に申し込んだらいいんだろうか?それとも近くの海水浴場の海の家みたいなところでレンタルしたらいいんだろうか?
この記事では、よく分からないままSUPを始めて事故を起こさないように、幾つかの始め方について解説していきます。
SUPを始める前に
これからSUPの始め方を解説しますが、SUPの特性上、漂流や故障による帰還不能、溺水、他船舶との衝突などの危険が伴います。過去には、インストラクターの指導の下でさえこうした事故が起きていますので、自分の命を他人任せにせず、「自分の身は自分で守る」という意識は常に持っておきましょう。
ショップや体験会で始める
オススメ度★★★ 費用★★☆ 危険度★☆☆
恐らく、一番一般的な始め方がこれだと思います。
ショップというのは、海沿いであればマリンショップやサーフショップ、ダイビングショップなどのことで、レンタルのみの場合もあれば、インストラクターが引率するSUP体験やSUPツアーなどをしている場合もあります。
初SUPということを考えれば、道具だけ借りても何をすればいいか分からないので、専門スタッフが教えてくれるショップを選びましょう。
ただし、SUPツアーは結構距離があったり、イントロダクションが短く基礎技術の習得や安全講習が不十分なままツアーに向かったりするので、本当に初めて乗るという人は注意してください。(ちなみに、徒歩の1kmとSUPの1kmは全然違います。初めてなら漕ぎ方を教わらなければ1時間で3kmくらいが限界でしょうか。教わってもかなり疲れます。)
ツアーは、参加者の技術が追い付かない場合、膝立ちや座って漕ぐことになりますが、安全性は問題ないとしてもめちゃくちゃ恰好悪いです。SUPの醍醐味は何といっても水面に立って(Stand Up)漕ぐ(Paddle)ことなので、まずはフラットな水面で立って漕げるようになってから、ツアーなどに挑戦することをおススメします。立って漕げれば記念撮影も様になりますよ。
ツアーではない体験会であっても、上達してくる後半では「あそこの灯台までいってみましょう」などとプチツアーをすることも多いので、満足度は高いです。
体験の費用は6,000~8,000円前後が多いようですが、これは高い?安い?人によって感じ方が違うと思います。
数回体験した後にさらに続けていきたい方は、大概マイSUPを購入してしまいますが、マイSUP持ち込みでも参加できるところがあり、その場合は道具のレンタル代がいらない分、参加料が安くなったりすることもあります。
ショップが行う体験で注意したいのは、そのショップがSUPを教えられるスキルがある人がいるのか、またきちんとした安全対策を講じているかということです。
過去にも、インストラクター引率のSUPツアーで死亡事故が起きていたり、SUPヨガで漂流事故を起こしている事例があります。
いくらインストラクターがいたとしても、自分の身は自分で守るという意識はしっかりと持っておきましょう。その上で、危ないと感じたことや疑問があれば、ちゃんとしたインストラクターなら答えてくれるでしょうから質問してみましょう。逆にちゃんと答えられなかったりすれば、経験が浅いか事故想定をしていないということなので、違うショップに変えるのも選択肢になります。
また、珍しいですが、SUPイベント会場で行われる体験会に参加する方法もあります。
これは、主にSUPレースなどの会場で、SUPメーカーの方やプロ選手、レースを共催する地元ショップなどが行うSUP普及のための催しです。
普及が目的なので、一般的な体験会などよりも短時間で簡素な内容だったりしますが、インストラクター役の人はかなりの上級者(プロ選手の場合も)な上、基礎技術や安全講習などといったSUPの最も重要な部分を中心に学ぶことができます。
メーカーブースや最新ボードの試乗会があったり、SUP競技も間近で見られるので、SUP好きとしては行ってみたくなります。このブログでも、そういったイベント情報は見つけ次第できるだけ取り上げるようにしているので、お近くである場合はぜひ見に行ってみてください。
いずれにしても、ちゃんとしたインストラクターに教われるのなら、間違いなく一番有益だと思うので初SUPにはこれが一番オススメです。
知人に教えてもらう
オススメ度★★☆ 費用★☆☆ 危険度★★☆
ショップ利用の次に多いのが、周りでSUPをやっている知人や友人に教えてもらう方法です。
もし、SUPに興味を持ったきっかけが、職場の人に教えてもらったからとかだったら、その人に頼んで乗らせてもらうのが一番手っとり早いですよね。つまりそれです。
この方法の良いところは、費用が掛からない点(ただしガソリン代やご飯代を出すとかの気配りはしてください)と、一言さんとして行くショップなどよりも気兼ねなく話しができる点です。
この気兼ねなく話しができるというのが結構重要で、先述したショップ(特にサーフショップ)の場合、大体サーファールックな方が店員さんだったりその周りにたむろしているので、気後れしてショップに近づけない方も多いと思います。(実際はいい人達ばかりなので慣れてしまえばどうってことないのですが。)
その点、知人友人ならそんなこともないので、「ちょっと乗ってみたいんだけど」と頼めばできる気軽さという点で、ハードルがとても低い方法です。
ただし、注意したい点としては、「個人の道具をお借りすること」と、「人に教えられるようなスキルレベルにないかもしれない」ということです。
1つめは分かりやすいですよね。個人の趣味の道具を、もし傷つけたり壊したりとなれば、人間関係もありますので弁償すれば良いという問題でもないと思います。その点でショップレンタルよりも扱いに気を使わなければなりません。インフレータブルSUPで5~20万円、ハードSUPで20~50万円、パドルも1~10万円程度するので、流石に気をつけますよね。ボード自体はそうそう壊れるものでもないですが、パドルは浅瀬で漕いでいるときに岩にぶつけて割ったなどといった事故が起こるので、注意しなければなりません。
また、その人がSUPを1台しか持っていなかった場合、それを借りたあなたは海上で独りぼっちになってしまいます。SUPに慣れた友人は陸の上。流されても溺れても誰も助けに来れないので、初心者が1台をシェアする借り方はしない方が無難です。
よって、ベストなのはどこかで自分用のSUPだけレンタル(5,000円くらい)して、それを使って教えてもらう方法です。こうすれば、人の道具を壊す心配もないし、一緒に海の上に浮いて教わることができます。教える側も、自分で道具を揃えて来る人にはちゃんと教えたくなるので、一石二鳥ですね。
2つめの「教えられるスキルレベルにない」についてですが、読んで字のごとくです。
SUPを始めたばかりの熱がある人ほど、周囲の人におススメしてしまうので、いざ誘いに乗っていったら、実はまだ数回しか乗ったことがない人だった、なんてこともあります。
その場合は、万が一何かあっても助けてもらえないかもしれないので、決して無理はしないようにしましょう。数回乗った程度ならまだまだ落水すると思うので、一緒に漕ぎ出して一緒に落ちて楽しむくらいのつもりで、楽しむと良いと思います。
ということで、この方法は、ショップ利用よりさらに教えてくれる人によるので、オススメ度は何とも言えません。しかし、後述する1人で始めるよりは100倍安全なので、これは現実的な方法だと思います。
SUPを買って(借りて)1人で始める
オススメ度★☆☆ 費用★★★ 危険度★★★
自分の周りにはショップも無いしやっている人もいないという場合、完全独学で始めるしかありません。
ここまで読んでいただいた方なら、まともに漕げない初心者が1人で始めた場合の危険性は分かると思いますので、できれば友達と一緒にレンタルするなどし、2人以上で一緒にできると良いですね。
どうしても1人で乗る場合、最初は決して陸から離れ過ぎず、最悪の場合泳いで帰れる距離で乗ってみましょう。その上で、まともに漕げるようになるために、SUPの基礎技術を身に着けていってください。(別記事にまとめるように執筆中)
SUPは、最低限の技術と安全意識があればそうそう事故は起きないので、学びながら徐々に行動範囲を広げるのでも遅くありません。
事故で命を失う前に、やれることをやりましょう。
まとめ
結局、住んでいる地域やその周辺の環境に左右されるので一概には言えませんが、共通していることは、複数人の方が安全であることと、スポーツ経験があるからと言って無理しないことです。
仮に個人的に無理をして事故を起こしてしまった場合でも、インストラクター引率中やツアー中であれば事業者なども処分されてしまいますので、自分の身を守ると同時に周囲に迷惑をかけないためにも注意しましょう。(悪徳な業者の肩を持つわけではありません)
安全確保さえされていれば、乗ることも落ちることも楽しいSUPなので、初めてのSUPを目いっぱい楽しんでください。