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ノーズで水を切るか、乗り越えるか。

今回はハードボードのお話。

SUPメーカー各社が様々なレースボードを世に送り出していますが、ノーズに対する大まかな考え方が共通しています。

  • フラットウォーターボードはノーズ先端から接水させる
  • オールウォーターボードはロッカーをつけてノーズ先端を接水させない

前者はスターボードのスプリントなどが分かりやすいです。ロッカーが全く無く、ノーズからテールまで接水している形状。これは速長比などを元にしたものだと思いますが、ごく簡易に書くと、同型船型なら水線長(船の接水全長)が長いほうがスピードが出るということです。(まあ14フィートボードなら水線長14フィートが最大なのであとは形状の差によると思いますが。)

水を切って進むスターボードのスプリント2022モデル

ただ、切り裂けない厚みの波や、大きな波の背中を下るようなコンディションのときに、ノーズが水に刺さるだけで突き抜けられないので、大きな抵抗が生まれてしまいますし、そもそもバランスを失います。

それで後者のオールウォーターボードは、荒れたコンディションでもノーズが水に刺さらないように、サーフボードの様なロッカーがつけられています。そのためよほど荒れたコンディションでもなければ、大抵の場合、波を乗り越えるように進むわけです。スターボードでいえばオールスターですね。

波を乗り越える形状をしているスターボードのオールスター2022

このような形状は、横波などの際にロッカーの高さ分の水を受け流すことができるので、荒れたコンディションでもボードコントロールがしやすいです。

逆に前者は横波をボード全体で受けてしまうので、よっぽどの漕ぎ力が無ければサイドレグでのコース取りが難しいし、そもそもバランスを崩してまともに漕げないと思います。

さて、ここまで考えてある疑問が浮かびました。

最近のトップ選手って、荒れた海でもフラットウォーターボードに乗ってない?

外洋でもSICのXRSを乗りこなす田口頼選手

ほかにも結構な選手がフラットウォーターボードを使っているんですよね。

つまり"細いフラットウォーターボードが最速"ってこと?もちろん、外洋や荒れたコンディションでもまともに漕げるスキルは前提ですが。

ただそういったトッププロも状況やレースの種類に応じてロッカーのついたオールウォーターボードに乗るようです。が、これには勘違いポイントがあって、そもそもどこまでがフラットでどこからが荒れているのかという基準が我々アマチュアと違い過ぎるので、あまり参考にしない方がよいです。実力が離れ過ぎると見える(感じる)世界が違うという話。

もう一段掘り下げると、上記のとおり細いフラットウォーターボードが理論上最速だとしても、乗りこなせるスキルが無いのならオールウォーターボードできちんとバランスを保ったまま漕げる太さを選択することが結果的に現状の最速ということでしょう。

まあプロは週6で1日に2部練3部練やっていたりするので、それに及ばないならオールウォーターボードの太いやつが良いという結論は金子ケニー氏もインスタライブで発言があったので間違いないでしょう。

で、私が最近気になっているのが、オールウォーターボードでも前荷重ならノーズで水を切るような乗り方になり、センター~後ろ荷重ならノーズが水を乗り越えるような乗り方になるということ。果たしてどっちが速いのか?

もちろん後ろ荷重にすることでどの程度漕ぎ終わりに失速するのかはテールの形状が大きく関わってきますが、その要素を除いたとしても、どちらが良いのでしょうか。前乗りするか?後ろ乗りするか?そしてその理由は?どの程度のスキルレベルならどうするのが良いのか?

考え出すときりがないですが、これが楽しいのでしかたないですね。

前乗りor後ろ乗りの話題はまた次回触れてみようと思います。

それでは良いSUPライフを楽しんでください。

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